建築家・山之内淡が、European Cultural
Centreより公式招聘を受け、
Time Space Existence(ヴェネチア、イタリア)にて
国際的な”繋がり”をテーマにした
建築インスタレーション作品を発表

国際的な”繋がり”をテーマにした建築インスタレーション作品─《Anywhere Door(エニウェア・ドア)》

Time Space Existence公式招聘作品として、イタリア・ヴェネチアにて発表

 

・《Anywhere Door》プロジェクト公式website:https://anyhweredoor.awgl-inc.com/

・Time Space Existence公式website(出展者紹介ページ):https://timespaceexistence.com/participants/tan-yamanouchi-awgl/

 

1. 作品概要

建築家・山之内淡は、2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展期間中開催される、European Cultural Centre主催のTime Space Existenceより公式招聘作家として招聘を受け、屋外会場であるMarinaressa Gardens(マリナレッサ庭園)にて建築インスタレーション作品《Anywhere Door》を2025年5月10日[土]から11月23日[日]まで198日間にわたり出展します。

建築インスタレーション《Anywhere Door(エニウェア・ドア)》。 本作品は、 “ドア”という世界中の多くの人々にとってもっとも身近な建築の構成要素をランドスケープの中に設置し、それぞれの風景/光景を作品として提示する、中央集権的ではない分散型・ネットワーク型の建築インスタレーション作品です。イタリア・ヴェネチアと日本の複数拠点をつなぐ、国際な”繋がり”をテーマにした建築インスタレーション作品です。

日本国内でも、本《Anywhere Door》プロジェクトに共感いただいた複数の拠点にて同時期に展示が行われます。

また、2025年5月10日[土]の開幕に先駆けて、2025年5月8日[木]・5月9日[金]には、現地ヴェネチアにて報道関係者に向けたレセプションと作品プレビューイベントが実施されます。建築家・山之内淡もレセプションと作品プレビューイベントに参加いたします。

 

2. 作品主旨

 1つの作品が、場所や文化によってまったく異なる姿を見せる。

  《Anywhere Door(エニウェア・ドア)は、環境への介入を最小限に抑えながら、環境そのものを観客の認知/知覚を通じて抽象化し、記憶や思い出、その場所の文化背景などの場所性も含めたランドスケープそのものを建築インスタレーション作品とする試みです。

 同時に、それらを多拠点(複数の点)で結ぶことによって、分散型・ネットワーク型の1つの大きな建築/アート作品として設計を行い、“1つの地球”という大きな繋がりへの喜びを祝福することを目指しています。異なる場所や人、時間、動植物や自然をゆるやかに結びつける国際的な”繋がり”をテーマにした建築プロジェクトとして展開を行います。

*《Anywhere Door》の作品ステートメント(英語表記にて、各ドアの立面に刻まれます)

 

 《Anywhere Doorは、1つのドアを屋外に設置することによって、鑑賞者が実際にその場で見ている風景や光景そのものを、意味を持った1つの作品として浮かび上がらせるという作品主旨の建築インスタレーション作品です。

 ドアという多くの人々が日常的に触れている小さな建築を、ランドスケープの中で美しく、同時に触れて楽しい作品として創造します。

 ドアを屋外に設置する表現を通して、具体的な情報・モノ・コトが光の速さで繋がる現代において、繋がることそのものを否定することなく、繋がることの根源的な喜びを、目の前の大地や空はどこまでもつながっている事実の中で、鑑賞者に考えてもらうことを意図しています。それは、建築にしかできない、同時に、建築がこれからの時代において国際社会の中で果たすべき役割ではないかと考えています。

 「あなたと同じ、世界のどこかに。」人も自然も含めた繋がりへの根源的な喜びや幸福を称える作品です。

 

3. 作品意匠

*《Anywhere Door》の現地ヴェネチアにて撮影された写真(撮影は建築家写真家の田中克昌氏による)。写真クレジット:Photo by Katsumasa Tanaka(田中克昌)

 

 《Anywhere Door》の意匠は、日本人らしい繊細さと日本のクラフトマンシップを伝えること、作品のメッセージに沿った幻想性/寓話性を伝えることを目指し設計されました。素材には、扉本体・扉枠ともにすべてステンレス鋼を採用しています。

 扉枠は直径38mmのステンレス丸パイプを外皮としてステンレス丸パイプの2重構造とし、扉本体の端部はR加工として、扉と枠が一点で接する収まりとしています。扉が回転するヒンジ部分は切り込みを入れ外皮がそのまま回転する意匠とし、扉枠は平滑に収めています。また、ビスは1本も使用せず、溶接のみで組み立てを行っています。仕上げはステンレスヘアラインを残しつつ、5色使用した塗装を職人の手作業で施しています。

 どこか精神世界に通じるような、見たことがありそうで、見たことがない。繊細さの積み重ねによって、この世ならざる空気感を感じ取っていただけるような、そんな意匠を目指しました。

 

4. 建築家コメント

 European Cultural Centreから2025年度のTime Space Existence公式招聘作家として招聘状を受け取った際に、思い描いたことが2つあります。

 ひとつが、これまで素晴らしい建築家が展示を行ってきた歴史あるMarinaressa Gardensで屋外建築インスタレーション作品を制作/出展することです。

 ふたつめが、ヴェネチアのみに留まらず、国境を越えて展開する、一連の建築作品、ネットワーク型の建築プロジェクトとして企画/製作・プロデュースをすることでした。 

 「世界はつながっている」体感を得られ、繋がりについて今一度考えられる、同時に建築の知識や知見がない方が見ても美しい建築である、そんな作品をつくりたいと強く思いました。 《Anywhere Door》は、本プロジェクトに共感いただいた多くの方々の協力/支援によって実現しています。ですが、初めから繋がりがあった方は多くありません。自分の話に耳を傾けてくださった方々にこの場を借りて心より御礼申し上げます。

 私は、一度建築の外の業界を経験してから、建築家として出発しています。外から建築の世界を見るどこか“外様”の感覚を持っているからこそ、より強く、「建築にしかできないこと」「建築家が果たすべきこと」をしたいと考えるのではないかと思います。

 そして、次の世代の方々に、ぜひ自分の後に続いていってほしいと願っています。

(建築家・山之内淡)

 

5. 各種情報

□《Anywhere Door》展示概要

・会期:2025年5月10日[土]〜11月23日[日]:198日間

※国内展示拠点においては、2025年7月以降随時展示開始を予定

・Anywhere Door企画/プロデュース:Tan Yamanouchi & AWGL

・Time Space Existence主催:European Culture Centre

※開幕に先立ちヴェネチアにて、2025年5月8日[木]・5月9日[金]の日程で主催者のEuropean Culture Cntre主催のレセプションと作品プレビューイベントが実施

 

□展示会場

それぞれ異なるコンテクストを持つ会場に同時に現れる《Anywhere Door》は、設置される場所ごとに異なる光景や風景が広がり、それぞれに異なる作品体験を喚起します。さまざまな場所をめぐりながら《Anywhere Door》が生み出す多様な作品体験をお楽しみください。

・展示会場 | 海外:Marinaressa Gardens(イタリア・ヴェネチア)Time Space Existence屋外会場

European Cutural Centre主催のTime Space Existenceにて、建築家・山之内淡の公式招聘作品《Anywhere Door》が出展/展示されます。 会場には、世界各国から招聘された名だたる建築家の作品が並びます。 その中で、日本人建築家として、日本の文化と職人の誇るクラフトマンシップを作品を通して伝えます。

アクセス:Riva dei Sette Martiri, 30122 Venezia VE, イタリア

展示期間:2025年5月10日(土)~11月23日(日)

https://timespaceexistence.com/

 

・展示会場 | 国内:臨済宗大本山 円覚寺(神奈川県、鎌倉)

古都鎌倉に佇む、臨済宗円覚寺派の本山「円覚寺」。1282年に開創された禅寺である円覚寺は、《Anywhere Door》の着想を得た特別な場所でもあります。歴史深い空間に突如現れる《Anywhere Door》。その佇まいが生み出す、神秘的でゆるやかな境界の表現をぜひ体験してください。

アクセス:鎌倉市山ノ内409 

展示期間:2025年7月〜予定

※拝観時間:3月~11月 午前8:30~午後4:30(境内からの退出時間17時00分)

https://www.engakuji.or.jp/

 

・展示会場 | 国内:KURKKU FIELDS(千葉県、木更津)

木更津の広大な30haの敷地で、農業・食・アートを軸に美味しさと心地よさを提供する オーガニックファーム「KURKKU FIELDS」。未来へとつながるサステナブルな力を生み出すこの場所と、《Anywhere Door》の 「あなたと同じ、世界のどこかに。」というコンセプトが共鳴し、場内のクリエイティブ・パークでの展示が実現します。

アクセス:千葉県木更津市矢那2503

展示期間:2025年7月〜予定

※営業時間:10:00〜17:00|火・水曜 定休(祝日は営業)

https://kurkkufields.jp/

 

・展示会場 | 国内:SHIROIYA HOTEL 白井屋ホテル(群馬県、前橋)

創業300年の歴史を誇る老舗旅館を再生したアートホテル「白井屋ホテル 」。「アートデスティネーション」をコンセプトに掲げ五感を刺激するインスピレーションに満ちた「白井屋ホテル」を彩る新たなアート作品として、《Anywhere Door》の展示が実現。世界的クリエイターの作品に囲まれた空間に、《Anywhere Door》が新たに登場します。

アクセス:群馬県前橋市本町2丁目2−15

展示期間:2025年7月〜予定

https://www.shiroiya.com/

 

□プロジェクト協賛・協力

《Anywhere Door》は、本プロジェクトに共感いただいた多くのパートナーの協力によって実現しました。

海外会場 | Marireressa Gardens(マリナレッサ庭園), Time Space Existence

主催:European Cultural Centre

助成:公益財団法人吉野石膏美術振興財団 

協賛:全日空商事株式会社、 株式会社OCS 

 

日本会場 | 臨済宗大本山 円覚寺 

作品協賛:株式会社豊島屋 

会場提供:臨済宗大本山 円覚寺 

 

日本会場 | KURKKU FIELDS 

作品協賛/会場提供:株式会社 KURKKU FIELDS 

 

日本会場 | SHIROIYA HOTEL 白井屋ホテル 

作品協賛:株式会社ジンズ 

会場提供:白井屋ホテル株式会社 

 

Anywehre Door 企画/プロデュース:Tan Yamanouchi & AWGL

設計:山之内 淡(Tan Yamanouchi & AWGL)

 制作:有限会社伴田鉄工所 

 塗装:有限会社大成塗装電気製作所

 

Anywehre Door 公式website制作:

Creative Director:山之内 淡(Tan Yamanouchi & AWGL)

Art Director:大橋 謙譲(株式会社CHERRY)

Copywriter:片岡 良子(株式会社CHERRY)

Design Engineer:柳原 健人(PRESET)

 

□お問い合わせ先

取材・メディア掲載に関するお問い合わせ:info@awgl-inc.com

 

□今後の展開

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2025)の開幕(2025年5月10日(土)〜)以降、現地で撮影した写真等も含めたプレスリリースの公開を予定しております。

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